今回の「かな書道展示会」に飾った私の作品の内、こちらの作品について、ご質問を頂きましたのでここでご案内します✿
この作品は、紀納言の「桃花詩序」という古詩を右側の大きな字の塊と小さめの字の塊に分けて書いてみました。
これ一枚でひとつの詩文となっています。
<釈文>
夜雨偸 湿曾波 之眼新 嬌 暁風吹
桃
ふ言のくちびる 末徒衛めり
<読み下し>
夜の雨ひそかに潤し
曾波(そは)の眼(まなこ)新たに嬌(こ)びる
暁の風ゆるく吹きて
不言の唇 先ず咲(え)めり
<題名>
桃
✿ちなみに、左右の黄色い紙に書いてあるのは百人一首からの一句です。
◎右
<原文>たち別れ いなばの山の峰に生ふる
<釈文>太遅王可連い奈者の山濃峰二生ふる
◎左
<原文>まつとし聞かば 今帰り来む
<釈文>松とし支可盤今可邊利来む
(中納言行平)